からすうり

常温の郷や烏をツイバむ


永劫のかねや
きをくを差し違え


固いベッドに横たわる女の眠れないまなこ



行く末こい願いたもうて苦惜しや

安せ不

渇いた希望は夜の闇になって

眠れば済む話をいつまでも切り裂いている

蓮華称(レンゲショウ)

髪に降り手は流浪に軽く

頬に映るは名指し無情の蓮華称

弥陀の願いは何事ぞ

今宵なきおといづくよりかや

今宵あきこといかんせんやは

鈴鐘重く

峰に響けや

吾に響けや

響きたもうて

永劫と

響きたもうて

寡福のうまれたもうや

一寸たりとて構わやせぬ


弥陀の願いの

蓮華称



.

降りしきる雲泥にや

あの時 着床せねば善かったと


思う心地のさこそあらめ、


濡れて絞る手(た)元をぬぐい


消えんと願はくば浅はかにあり



.

仮眠、路頭

白虎懐きてウタカタの、奏でらるるは祖父の口笛
お彼岸の、淵に立ちて心地目覚めや
露か思ひて丑三つ過ぎにし


在りし日の、
静寂落ちて、朝なりぬ
眼気づけば目白の鳴く声、柿の木有りし乎