お開き

ご機嫌良う感情
感傷し遊ばす夕方

もう直ぐ晩食の準備です
まな板の上に私は
何を乗せて遣りましょうか

でも一寸、
なぞにか昔の事回想して、
少々お話させて下さいな。


齢17の私は初清らかなおんなごでした
春もうすぐ葬られる五月、
貴方と会話した機会、
善く憶えてゐらっしゃいます。

貴方に惹かれてはいけないと、
よく自制していたのに残念恋情


もっと貴方の傍らに
もっと貴方の内状を


時たまに笑む貴方のその行いは
私を余計に幸にしました。

貴方との経緯、私善く憶えてゐらっしゃいます。

ひょろり、ひらっと探し出し
貴方はいづら、
ふらっ、くらりと願い出し
ねェ、お手手繋いで頂きたいの。


それを昨年、
早や11ヶ月、
まさかまさかの御別れでした


「帳消しにしては呉れないか。」


ねぇ、
貴方私を左様ならするのね
お手手繋げはしませんね

何て消して
貴方は幸福そうなの

貴方の幸せが第一ですもの
良かったわ
上善なのね


殺して遣りたくなりましたけど、
もう好いんです。
もう好いんです。
貴方が幸せなんですもの
殺して遣っては可哀想。


あの女は髪が長く成りました。
可愛い女
貴方にぴったりの
素敵な二人
お似合い過ぎて
嬉しくて笑って仕舞います



貴方達、
殺して遣ろうかと思ったけれど、
私は止めて置いて置きます。
止めて出刃包丁で
お魚を開く事にします。


幸せな二人を願って
お魚を焼くの
可愛い可愛いお魚ちゃんを、
貴方達を遣る換わりに、
殺して遣るから勘弁するわ。




どうか、死ぬまで幸せに成ってね。
さもなきゃ私がサバ射て遣るわ。

ミス・パトリックの欠陥。

やぁ信愛なるパトリック、

君の問題提起をしてみようか？

それはご破算だと言った筈だろう、
どの道それは課題で有って問題ではない。
難題だがね。（笑み。）


カラスが黒いのは今までのカラスが黒かったからで、
この鳥が黒いのはカラスだからだ。


判るかい？
もう君は勘付いてるハズなんだ。
誤魔化しは詰らない道化師に任せて置けば好い。


パトリック、
君の不安を当てて見せ様か？

さぁパトリック、
君が提起すべき命題を掲げるんだ。

安易な過程主義は君をただの偏狂に陥れ兼ねない。



ああパトリック、
逃げないで、君の出口はソッチじゃない。

御質問

もし、

私が馬の頭をしてゐたなら、

誰か私に振り返って

呉れたでしょうか？

「通り飴」

今朝の曇天

彼女の髪は渦を巻く　早緑色の あい模様

やがすりの 雛型草履（ひながたぞうり）
しゃなりしゃなりと鈴が呼ぶ


あの子の想いは通り飴


母様に 揃えてもろた前髪に
赤らむ頬に一粒落つる
其れを隠せは出来やせぬ


口に含む始めは甘露

金色色（こんじきいろ）を縫い付けた
群青学帽に颯爽と 筋の通った真直ぐな面

トクリトクリと響く様

芽づるに尚早なんど ありゃんせん


口に溢るる糖の熱

歩（あり）く姿に追う姿

交わす言の葉一粒に
芯情（しんじょう）舞うのを識（し）りました


然れど背丈参寸の違えが所以

何時ぞや今日わも朽ちになり
少女の喉を下って往った


あの子の想いは通り飴

硬く紅い塊は
何時しかカラコロ溶けてゆく


未だ流動柔らかに 熱を帯びえた桃色の

舌に残るる感状は

ただただ渇きつ砂に埋もれん名残痕（なごりあと）


あの子の想いは通り飴


母様に　揃えてもろた前髪に
赤らむ頬に二粒落つる

其れを隠せは出来やせぬ


何時（いつどき）か 何も通らぬ喉の鳴（めい）

バン ・

頭でっかちなショーウィンドウに神がかり的ロストチャイルド
グラジュエイトした満22の小鹿が無理強いかましてハイリスク拡大
でも充分満足で問題玉砕 ・。

セコビェアン？

ヴディアモーレ！

引きずっちゃって上に下に
巻きついちゃって前に後ろに

上気したミストでモンテーニュ通りは支離滅裂

パスカルが見当違いで泣いてしまえば冷めて御仕舞い

ジュネ・コンプロンパ！の嵐が少女を沸かす


カミサマを酒漬けにしたら今日はソコまで。

デカルコマニィー。

「正気なモノは皆死んでゐくワ。」

口紅塗りながらパパが言った。



ある朝アノ子が他殺体。


残された恋人狂い咲き。


赫い電柱に潮を吹きかけ笑って居ます。


あンたの息子が焼けて酷い状態。


パパは女に成りました！



「由紀子、ちャんと鍵閉めとくノよ。」


それでもあたしはパパが好き。