告知：「詩誌空想」第二号発刊。

遅れ馳せながら、
合同詩集の詩誌空想が第二号目を迎え、
通信販売されました事をご報告致します。
前回にも増して素敵な詩人たちの作品群に、
どうかひと時の夢を何度でも・。

作品はネット上でご覧いただけないものばかり。
ハダリィも二篇を、参加させて頂きました。

こちらにて詳しくは御座います。


どうぞ皆様、
お手にとってご覧遊ばし下さいます事を願います。

ライカ

無邪気の自覚ある子らよ、

お前たち程の邪鬼はない。


ザンゲするならしなしゃんせ

ザンゲの前にな・しなそ

無理なら何もをなぁ・泣きそ

何がしたいか無邪気な邪鬼よ


無知を幸福の糧にして

未だ彼等は幸せの儘(ママ)


ライカが笑う

『私を無駄に済まいとお積もりですか。』


無駄に済まない原罪を

いつまで産むか育てるか


大量の骸

彼らの恒久の平和の元に

大量の責念

産めよ育てよいついつまでも


ライカを知らぬ

無邪気な邪鬼よ

其は僕らに御座居ました



・・・・・・・・・・・・・・・・


他者が他者である限り

個が個である限り


『さうにもしなば 進めぬ道の ありしかな。』


ライカが左うかと、

矢張り邪鬼には敵わぬと、


うち笑ひてのち合点した。

降りしきる雲泥にや

あの時 着床せねば善かったと


思う心地のさこそあらめ、


濡れて絞る手(た)元をぬぐい


消えんと願はくば浅はかにあり



.

けむり

ある所には

善良の嫌悪の対象物・悪意の象徴として

口に繋がりなば染まり埋もるるものが

居る


あれは妖魔の毒薬の罠だ

見たことはあるけども触れた事のない真っ白な者達は
天高く声揚々として張り上げ叫ぶ

繋いだ者には解るでしょう
そこに在るのは只の灰


白と

黒の狭間で

鮮明な世界から真っ暗闇の世界へを

往来する合間に停止させる

あれは只の灰

触れた者しか知り得ない

只の灰が芯を通る


嬉しさと喜びと悲しみと諦念と煩わしさを沢山混ぜて

最早何の生地だったか判らぬ様な

焼くまでもないケーキの手前



失敗なのだろうか

成功ではない


只飲み干す事の出来る生地


飲んだ者に映るもの

二度と真っ白にも成れず

灰を知って仕舞った

只の一人が居る

真っ黒と真っ白の狭間を識る


あれは悪魔の嗜好の元かしら

あれは弱者の勇気かしら





いいえ


あれは只の灰

只の生地



只の


風景

午前四時の肖像

薄曇り色の想念は詰る所を識らず
朝つ方に往く人の感情を知らず

熱望する事に脈は絶えた

晴れ渡る

消費状態の飽和に
燃える世界の狭間がある

そこには

永遠も尽きた
ただの窓辺が置いてある

そこに

肘を付いた痕だらりと腕を下げて
燃える世界の眠る合間に吹き通る風を

冷たく受け止める
血の通い続けるわたしの手の甲がある

人間の

流線を追いかけては筋を引く

進化と成長と発展の火種を持つ細胞が
火を点ける事に飽きた時

一体わたしはどうなるのか

仮眠、路頭

白虎懐きてウタカタの、奏でらるるは祖父の口笛
お彼岸の、淵に立ちて心地目覚めや
露か思ひて丑三つ過ぎにし


在りし日の、
静寂落ちて、朝なりぬ
眼気づけば目白の鳴く声、柿の木有りし乎

♪左様ならのお願いうた

♪　あなたが私と共に居ぬのなら

　　お願い

　　お願い

　　早く私を忘れて下さい

　　お願い

　　お願い

　　早く幸せに成って下さい
　　私を忘却の彼方へ
　　焼却炉にくべて下さい あなたが

　　私と共に居れぬのなら

　　只の 只の 恋人の様に睦まじく愛し飽きて 終る事すら
　　叶わぬのなら

　　お願い

　　お願い

　　早くよい人視付けて下さい
　　すきよすきよと云ったって

　　お願い

　　お願い

　　早く忘却の彼方へ
　　焼却炉にくべて
　　早く私を忘却の彼方へ

　　お願い

　　お願い

　　私からの

　　お願いです


　　私を早く

　　忘れて 下さい　♪.