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あぁ、またアナタ様ね。

苦しませこの劣情

もういい加減にして置きなさいな

そんな契約にサインするとでもお積りかしら

なら笑止。

そんな買い物する算段は御座いません

御還りなさいな、戻る道すがら路頭に迷うとて、ワタクシ目の

料簡じゃぁござんせん!


えぇ、何と。

仮契約と、おっしゃるの。

期間は、

春まで、そこで打ち切り。

おヤめクださい、そんな冗漫!

あぁ、そんな呈の好い話し、乗れる訳がないでしょう。

お止め下さい、

お止め下さい、


ああ、

ああ、


春までで、いいと云うのね。


博打ヒトツ、打った事のないこの身上、

如何せん、その話。





「乗りま、しょう。」






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彼と会ったのはそれから24年の歳月が流れてからであった。
私は時通り彼女の面影を探すことがある。
公園で、町で、或いは家の片隅でさえも、
スキあらば入りそうな彼女の姿を追いかけて居る。

そんな私を相変わらずで結構、と彼は微笑み上辺のみの言葉を放った。
コーヒーが、腹の中でベタ付く。
悲しみなんていつの頃かしら、どうだって関係のないシロモノだった。

「どうかしら。」

理性よりも口から声が先に出る。

「林の中でうずもれないか。」

「それもいいけど」

「あなたと終わってみるのも幸ね。」

自転車のホームをくすぐる様な
そんな淡い嘘っぱちなんてもう止めたらどれだけ世界は正常かしらん。

風と流れと四つの季節。
花と雪と松の焼け野原。

もういいわ、私はふっと溜め息漏らして。
「散歩に行きませんか。
 レインコートは持ってるの。」

と遠慮がちに彼に提案すると、思いもよらず少年の様な顔でこちらを見、

「それは宜しい。いや、実に宜しい考えだ。」

なんて言うんですから。
私はいよいよ切なくなったの。


トレインがレールの上を歩く間にトゥワイス二人は水底にどポん。
白昼夢。


「大丈夫かい?」
心配そうに彼は私の瞳をのぞき。

「――――‥ええ、少し、
 そうね、もういいの。」

私は気丈に振る舞うと、彼は頬をゆるませ

「よかった。」

と小さな声で呟き笑った。





黒い猫が一匹 中央階段のラセン状 B1Fから1Fへ


上がってくると思ったら


ツキノワグマかと思いきや


ダッフルコートのおじさんだった。



長い絹の ヒモが一本、ぶらさがっていた。



「つれるかしら。」



「足ぐらいは、浮くんじゃない。」



「いいえ、あの男の話。」










この改新の出来の不条理を

上手くタコ糸で結んだならば

私の積み重なった服の上に顔を埋めた

最後列の中で用心深く歩いている彼

また終わりを知らない内の一ツのロールに

一線を引くことが出来るでしょう




今朝見間違えた あれは太陽

光の筋道を届けることなく 丸い形を主張していた

しっかりと赤い あれは太陽




結びのない 終わり目の集結





例えばりんごが

私って何なの

とまわりに叫び 尋ねても

周囲が答えられない理由

答えあぐねんずる理由

それは、

それはそれに等しい






遠く離れて イツダツした人達に


一杯のコーヒーでも在れば 良いのだが


相変わらず 天井は上下不覚の均衡を保ち


デザイナーの満足のゆく 仕上がりに成ってゐる。





眠れない夜がツヅクのね

いいえ、

きゅうに夜中にどきんと目がさめるのよ。

じゃあ報せだわ、
おいで、
3時を周り目覚めた夜は報せが届いている


小窓を開けた墨色の空には隙間が出来て、あなたを迎えにやって来る


いってらっしゃい、

僕たちはここで待っているよ



白鳥が翼をざわめかせ案内を

サソリが惑う事なき道標を

モミの木は静かにオーロラを呼んで

ささやかな歓迎をその子に贈る

霜柱の中の住人は東の暗闇から眠たい顔を上げて

空を舞うあの子の為に手を繋ぎ合わせて

草原の上で一面に形を作って立っている


点と点とをつなぐ夜

線と線とをむすぶ夜


あなたの会いたい場所に連れていってあげる


このまま進んで。

あの青い風が向かうところにいっしょに行くの。


月が半分割れて片方は墨に染まって消えた

北の方角が輝く季節はまだ夜は深い

もう少しお供しましょう、ミミズクが森林の内奥に身を潜めながら

あなたの耳元に聴こえるように
永く歌い古した音譜の断面を囁いている


明日と今とを繋ぐ夜

昨日と今日を分ける夜


白鳥と共に宙を廻っていた風が薄紫に変わり始めて、

それでもまだ眠っていた霜柱たちが揃って起き始める

そろそろ闇に染まっていた半分の月が藍色に滲んで、

今度は赤紫に染まり出す

さぁもうお帰り、

白鳥の羽毛にくるまるのはあと少しだけ


西の底から光が伸びて、全てを包んで容づけるまえに

おかえりなさいと駆け寄る僕たち

小窓から元いた場所へ

おやすみなさいと白い手が頭を撫でる


今度いつあえるの。


報せが届くわ、

あなたの偲び寄る不穏が目を覚ます刻に



耳元は赤い色に染まってその子は少し寒かった。

ひとつ小さくくしゃみをして、


小窓から見える星座たちに言葉をいって消えるのを見届けたあと

ベッドにくるまって眠りについた。




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プロフィール
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ハダリィ
年齢:
224
性別:
女性
誕生日:
1800/06/14
職業:
学徒
自己紹介:
アンバランスな日常を打開する為の世界観。
ただのお遊びと存じて下さいな。
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